レトロゲームやりたい!:SHARP X1Cのテープ動かないよ... よし直してみます!
年始から、とても忙しくて「お知らせ記事」以外は
ブログの更新が出来ておりませんでした...
やっと少しキリがついたので更新させて頂きますね。
今回の記事は、SHARP X1Cの修理のご依頼を頂いたので
そのお話しを記事にしたいと思います。
ご一緒にデータレコーダー単体の整備も2台ご依頼頂きました。
-------------------------
この度、ブログの記事にすることを快く了承頂きました。
M様、ありがとうございます!
-------------------------
今までも幾度かX1の整備のご依頼を頂いてはおりましたが
あまりSHARPのX1は当時から触ってなかったんですよね...
富士通のFM-7派だったので(笑) X1はライバル!なんて思ってました。
これを機に自分用のも入手しようかな...なんて思ってます。

SHARP X1C(CZ-801C)
1983年10月発売 / 価格:119,800円
特徴は、なんといってもレコーダーが内蔵されていること。
モニター繋げば気軽にゲーム出来ちゃうすぐれものです。
X1の売りは専用のTVモニタと連携出来ちゃう点も素晴らしいですね。
当時、X1を使っている友人が居て、それを自慢されたのを思い出します。
そして、日本ファルコムのザナドゥなんですが
なぜかX1版から発売されて、FM-7版への移植は1番最後...
待たされている間に、X1の友人の勝ち誇った顔...
プレイしている横で見てるだけ、という異様な日々が
本当に悔しいのなんの...
X1に罪は無いですが嫌いになった大きな理由ですね(笑)
ザナドゥの発売がX1が最初だった理由は
開発がX1turboだったらしいですね(^^) なるほど...
X1はテープ版のザナドゥもありますもんね... 驚きです。

さて、今回ご依頼の内容としては...
特徴でもあるレコーダー部分で、早送りや巻き戻しは出来るが
何度も途中で止まってしまう... と言う内容でした。
テストすると確かに...
レコーダー部分のベルトやプーリーあたりが怪しいですね...
それではバラして点検してみますね。

このX1Cは、レコーダー内蔵なのでカバーを外すと
その部分が露わになります。ここだけ丸のまま外せるみたいです。
それだと整備はしやすいかも...

レコーダー部分を外して裏側を点検しました。
ここにモーターからの動きを伝えるプーリーやベルトがあります。

平ベルトの方で大プーリーに伝えて、その大プーリーから
黒ベルトで他の小プーリーに力を伝えていますね。
平ベルトは適切な遊び具合ですが、黒は少しゆるめですね...
お聞きしたら整備済みをご入手されたとのことで
ここのベルト交換も行われたご様子が伺えました。

んんん?それにしてはプーリーの溝に
やたらとゴムの溶けたような物が付いているぞ...
これでは引っかかってスムーズに回らないかもしれませんね。

バラして点検と清掃する許可を頂き進めていきました。
ゴムのカスのような汚れの原因...
分かりました...

これ、溶けて切れた前のゴムベルトのカスですね...
大プーリーの黒ベルト側の溝にはごっそり付いたままでした。
そして硬化してしまってる部分もあって新たな溝のようになってます。
部分的には厚くカチコチに固まってしまってるので取れるかな...
でも勝手に動きが止まってしまう原因はコレですね。

小プーリーの溝に付いてた溶けたゴムベルトのカスは
もともと柔らかい溶けたゴムがベルトに付いて移ったので
ここはパーツクリーナーですぐに綺麗になりました。

問題は大プーリーの方ですね...
かなり硬化した物が付着したままになってました。
溶かしながら出来るだけ取ったんですが...
取りきれず、溝とは違う新たな道を作ってしまってて...
無理に取ると地の方も傷付いてしまいそうです。

出来るだけ取りましたが、こんな感じで
道が出来てる部分が残ってますね...
うーん、回転中に引っかかる気がします。

仮組みして様子を見てみます。
元々使われてた黒のゴムベルトなんですが
元々は整備済の機体をご入手されてますし、交換したなら
新しいベルトのハズなので再使用してみます。
しかし、ちょっと大きい気がします... 遊びが大きすぎです。
で、再生したり巻き戻しや早送りして回して見ると...
あれれ... 早送りの軸が空回りして早送り出来ません...
やはり緩すぎですね。
おそらく今までは溶けたゴムが各プーリーの溝にあったので
ベタついてて空回りしなかったが、綺麗にしたので引っかからず
ベルトが大きめで緩いため空回りする感じですね...

それでは手持ちの少し小さいベルトに変更して
再度動かしてみます。
わわわ、今度は勝手に黒のゴムベルトが外れてしまいました。
おそらく、少し小さいベルトになり、溝にしっかりハマるのは良いが
例の大プーリーの硬化したゴムの残りが道になって外れてしまう感じです。
緩めだとその道に乗らないが空回りする...
困りました... とにかく外れない工夫が必要ですね。

名案が浮かびました!
大プーリーと小プーリーなんですが、各黒ベルトが通る溝の高さが
少しズレていることに気が付きました。要するに硬化したゴムの残りが
道になってしまい、少しキツ目なゴムベルトだとその道に乗って
さらに溝と溝のズレのせいで外れやすいと推測しました。
ならばワッシャーを入れて高さ調整します。
大プーリーの取り付け高さを調整して溝と溝のズレを無くそうと考えました。
良かった... 大プーリーを低くするのは困難ですが、高さを上げるなら行けます!
結果!
外れなくなりました\(^o^)/
ヘッドやローラー等をクリーニングして
実際のテープでロードのテストを行ってみます。

おお!行けますね。
少々読込時に重要なヘッド角度の設定(アジマス)が
甘かったので調整を行いましたが、それ以外は
再生、巻き戻し、早送り、停止、動いてます。
最初の症状の巻き戻しや早送りで勝手に止まる現象は
解消してますし派手に動かしてもベルトも外れません。
但し多少の後遺症は残る...
但し、ゴムベルトが外れないように大プーリーの取付の高さ調整と
黒ベルトを小さくキツ目に変更したので、ボタンによる早送りが
なぜか切り替わりずらいです... 早送り出来ない訳では無いんですが...
特に巻き戻しをした直後は、ほぼ早送りになりません。
一度、再生をさせたのち、停止させて、早送りするとOKです。
これはベルトと高さ調整の後遺症ですね...

手持ちのX1テープゲームも数本試しましたが
どれもスムーズに読込ました。3回くらいずつ試しました。
うん、良さそうですね。これで様子を見て頂こうと思います。
ついでに...

今回、X1の映像を液晶モニタに映すため
デジタルRGBをVGAに変換するケーブルをお借りしました。
配線図は別途見つけましたので自分用にも1本作りました。
現物もありますから、わりと時間かからずに出来ました。
RとGとBに150Ωの抵抗を咬ませればOKです。
それでは了解を得て
ご返送して様子を見ていただきました。
しかし、緊急事態が...
なんと、ご依頼者の元に届き、最初のテストで
テグザーを読ませたら勝手に早送りされ、停止ボタンでも止まらず
イジェクトで取り出して、それ以降、何も読まない...
と言う事態になりました(+_+) うーん、テグザー!鬼門です!
そもそもX1のテグザーなんですが、テープ版は正常のX1だと
一度、短いロードがあり、その後自動で巻き戻し
自動で停止後、自動で短い早送り、自動で停止後、ロード再開
と、言う変則な動きをするんです。
あああ、あの後遺症...
巻き戻しをした直後は早送りに切り替わらない
が、裏目に出ましたね... 他のゲームでは大丈夫でも
テグザーではロードの動きが変則なので対応出来てませんね...
その後、こちらで読めていたテープも読めないとの報告もあり
再入院をお願い致しました... うーん、申し訳ない...

こちらにご返送頂き、早速作動テストをしました。
巻き戻し、再生はOKです。早送りもOKなんですが
やはり巻き戻し直後だけ早送りが切り替わりづらいです。
ベルトと大プーリーの後遺症ですね...
今回はテグザーの現物もお借りしましたのでテストを行い
ロードはOKでしたが変則な動きに、手動で停止ボタンを押せば
自動でロードが再開されてゲーム起動までされました。
その他のゲームテープではロードOKでした。

今一度、大プーリーと黒ベルトの見直しを行いました。
分かりますかね... こんな感じで道が出来ちゃってるんですよ。
そして柔らかそうに見えますが、これ硬化してて全然取れません...

黒ベルトの大きさを変える為、大プーリーの高さ調整を
ワッシャー2枚にして再度行ったり... ベルトの長さを微妙に変えて
トライアンドエラーで何度も行いました。
これも大プーリーの溶けて硬化した跡のせいですね...
うーん大プーリー自体を交換したい... が、部品が無い...

で、何種もやった結果、やっと巻き戻し直後でも
早送りに切り替わる組み合わせを見つけて、ベルトも外れず
各ボタン操作、再生、巻き戻し、早送り、停止もOK、になりました。
トライアンドエラーで見つけたので時間はかかりました(^^)
そして、また落とされる...
各ゲームの読込もスムーズですし、これで完了かと思ったその時
なんの前触れもなく、急にどのテープも読まなくなりました。
え? ですよ... あれれ、アジマス調整ミスったかな?と
再度、アジマス調整(ヘッド角度調整)を行って設定を最初から行い
程なくして全てのテープも読み、よし!今度こそ!と思うと...
またなんの前触れや予兆も無く、全てのテープが急に読まなくなります。
ロードエラーでは無くて、全く反応無しに急になるんです...
ちょっと考えられないんですけどね...
たった今、同じテープ読んでただろ!って感じです。

一度、アジマスを調整して全てのテープがスムーズに読んでも
何の前触れも無く急に読まなくなり、原因不明でとても不安定なんです。
致し方なく、他の原因を予測しました。
急に、と言う点から、ヘッドからの音声が振動で接触不良になるのかも...
と思い、ケーブル類の根本の部分や、それが集約する基板を点検しました。
すると写真の部分やそれ以外でも数カ所でハンダクラックや
予備群が見つかり熱等で膨張や収縮して接触不良になりますので
直接の原因でなくても、ここは直しておきました。
その後もアジマスを調整して、またスムーズに読むようになるんですが
急に全てのテープで全く読まなくなり、またアジマスかと思い調整
そんなこんなで丸1日、アジマスやって、ロード、アジマスやって、ロード
良くなったのかと思いきや、結局急に読まなくなる現象が起こり改善しません。
先ほどのハンダクラックはこの現象には関係無いようですね...
うーん、これは...
急に読まなくなるので、ヘッドのアジマス角度かと思って
それを集中してやってましたが、一向に変わらないので
これはもっと大きく見方を変えないと改善しないと思いました。
やっぱり、例の大プーリーと黒ベルトなのか?
ロード(読込)に関係無いと思って
レコーダー背面のプーリーやベルト側は最初の調整から
手を加えて無かったんですが、やはりここなのか?!と
再々度の見直しを行いました。

あまり繋がり無さそうなんで急に読まない現象が起こってからは
ここは見直して無かったんですが、あえて再々度の見直しを行いました。
点検も行い、がたつきの有無もチェック、気になる点は見当たりません。
ベルトが外れないように大プーリーの高さ調整をしてましたが
またのトライアンドエラーで、その調整をしてなくても
ベルト外れない、早送り切り替わる、ボタン操作でもOK
そんな組み合わせをついに見つけました! やったー!\(^o^)/

その後、アジマス調整をして
数種類の各テープがスムースに読むのを確認し
また同じことを繰り返して、安定性の確認しました。
おい!これは!
7、8種の各テープの読込を3周はしましたが
今までの急に読まなくなる現象は全く起こらなくなりました。
それまでは3、4種のロードくらいしか保たなかったですからね...

やっとカバー付けての作動確認をしてもOKと判断して
またロードテストを行いました。 うんうん、問題ありませんね...

そして、ラスボス...
鬼門のテグザーもロードOKです。
(自動早送りを手動で止める条件付きですが...)

X1Cの修理、これにて完了です!
結局、大プーリーがポイントでしたね...
↑でも急に読まない現象との繋がりは全く不明...
ご依頼のM様も大変喜んで頂き、こちらも嬉しいです。
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元気がでます、笑

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【レトロゲームやってみませんか?】
あなたも記事のようなレトロゲームをやってみませんか?
当時使ってた方はもちろん、これからレトロゲームやってみたい方
実機をレストアし、レトロゲームが安心してプレイ出来るようにして
ヤフオクに出品してます。
2022年3月1日(火)
整備したPC8801MA2をヤフオクへ出品しました!
外観のホワイトニング処理や電源ボックスや基板等の
整備作業を行ってますので末永くお使いになれます。

↑本体ロゴ部分
ホワイトニングに自信あり!
ホワイトニング処理は今までに100台以上行ってます。
独自の下処理と確かな技術で元の色に近づけています。
下処理が無いと、まだらだったり、ロゴが半分消えてたり...
比べると一目瞭然です(^^)
その他、壊れやすいフロッピーに変わり
SDカードからデータを読めるようにもしますので
末永くレトロゲームをプレイ出来ます(^^)

2022年3月6日(日)
おかげさまでご希望の方にお譲りいたしました。
ありがとうございました。
その他、お手持ちのPC88やPC98等に
SDカードを読み書きするドライブ改造も承ってます。
これあると壊れやすいフロッピーに変わって
SDカードから市販ゲームが読み書き出来ます。
お気軽にお問い合わせ下さいませ (^o^)/
1月は2人の方から作業を承りました。
お問い合わせだけでも大歓迎です。
お問い合わせは:このブログのメールフォームへ
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合間でやるので多くは受付出来ませんが
このブログからもレトロPCのホワイトニング処理や修理等の
ご相談受け付けてます。お気軽にメールフォームから相談ください!
(一例:PC88等のレトロPCで、音が出ないとか、外観を綺麗にしたいとか)
※ホワイトニング処理とは樹脂部分の汚れではない黄ばみや変色を
化学変化とリサイクルショップの技術で元の色近くへもどす処理です。
ホワイトニング処理は今までに100台以上行ってます。
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独自の下処理が無いと、まだらだったり、ロゴが半分消えてたり...
比べると一目瞭然です(^^)
その他、お手持ちのレトロPC本体にあるフロッピードライブの代わりに
SDカードからデータを読めるように改造等も受け付けております。
古いPCの不具合で一番多い、フロッピーのカビやドライブの故障とかの
心配が無くなり末永くお使いになれます。

本体や対応モニターが無い方も、余剰があればお譲り出来ますので
遠慮無くご相談くださいね!
【レトロPCや電子ゲーム機を処分したい方】
レトロPC(PC88/98やFM-7/77AV等その他レトロ機器全般)や
電子ゲーム機を処分したい方も状態を考慮して、リサイクルショップや
買取店よりマージンが無い分高く買います \(^o^)/
ご相談等、お気軽にメール下さいね。(希望により関東なら取りにも伺えます)
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さて、今回ご依頼の内容としては...
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それだと整備はしやすいかも...

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黒ベルトで他の小プーリーに力を伝えていますね。
平ベルトは適切な遊び具合ですが、黒は少しゆるめですね...
お聞きしたら整備済みをご入手されたとのことで
ここのベルト交換も行われたご様子が伺えました。


んんん?それにしてはプーリーの溝に
やたらとゴムの溶けたような物が付いているぞ...
これでは引っかかってスムーズに回らないかもしれませんね。

バラして点検と清掃する許可を頂き進めていきました。
ゴムのカスのような汚れの原因...
分かりました...


これ、溶けて切れた前のゴムベルトのカスですね...
大プーリーの黒ベルト側の溝にはごっそり付いたままでした。
そして硬化してしまってる部分もあって新たな溝のようになってます。
部分的には厚くカチコチに固まってしまってるので取れるかな...
でも勝手に動きが止まってしまう原因はコレですね。


小プーリーの溝に付いてた溶けたゴムベルトのカスは
もともと柔らかい溶けたゴムがベルトに付いて移ったので
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問題は大プーリーの方ですね...
かなり硬化した物が付着したままになってました。
溶かしながら出来るだけ取ったんですが...
取りきれず、溝とは違う新たな道を作ってしまってて...
無理に取ると地の方も傷付いてしまいそうです。

出来るだけ取りましたが、こんな感じで
道が出来てる部分が残ってますね...
うーん、回転中に引っかかる気がします。


仮組みして様子を見てみます。
元々使われてた黒のゴムベルトなんですが
元々は整備済の機体をご入手されてますし、交換したなら
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しかし、ちょっと大きい気がします... 遊びが大きすぎです。
で、再生したり巻き戻しや早送りして回して見ると...
あれれ... 早送りの軸が空回りして早送り出来ません...
やはり緩すぎですね。
おそらく今までは溶けたゴムが各プーリーの溝にあったので
ベタついてて空回りしなかったが、綺麗にしたので引っかからず
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それでは手持ちの少し小さいベルトに変更して
再度動かしてみます。
わわわ、今度は勝手に黒のゴムベルトが外れてしまいました。
おそらく、少し小さいベルトになり、溝にしっかりハマるのは良いが
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緩めだとその道に乗らないが空回りする...
困りました... とにかく外れない工夫が必要ですね。


名案が浮かびました!
大プーリーと小プーリーなんですが、各黒ベルトが通る溝の高さが
少しズレていることに気が付きました。要するに硬化したゴムの残りが
道になってしまい、少しキツ目なゴムベルトだとその道に乗って
さらに溝と溝のズレのせいで外れやすいと推測しました。
ならばワッシャーを入れて高さ調整します。
大プーリーの取り付け高さを調整して溝と溝のズレを無くそうと考えました。
良かった... 大プーリーを低くするのは困難ですが、高さを上げるなら行けます!
結果!
外れなくなりました\(^o^)/
ヘッドやローラー等をクリーニングして
実際のテープでロードのテストを行ってみます。

おお!行けますね。
少々読込時に重要なヘッド角度の設定(アジマス)が
甘かったので調整を行いましたが、それ以外は
再生、巻き戻し、早送り、停止、動いてます。
最初の症状の巻き戻しや早送りで勝手に止まる現象は
解消してますし派手に動かしてもベルトも外れません。
但し多少の後遺症は残る...
但し、ゴムベルトが外れないように大プーリーの取付の高さ調整と
黒ベルトを小さくキツ目に変更したので、ボタンによる早送りが
なぜか切り替わりずらいです... 早送り出来ない訳では無いんですが...
特に巻き戻しをした直後は、ほぼ早送りになりません。
一度、再生をさせたのち、停止させて、早送りするとOKです。
これはベルトと高さ調整の後遺症ですね...


手持ちのX1テープゲームも数本試しましたが
どれもスムーズに読込ました。3回くらいずつ試しました。
うん、良さそうですね。これで様子を見て頂こうと思います。
ついでに...

今回、X1の映像を液晶モニタに映すため
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現物もありますから、わりと時間かからずに出来ました。
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しかし、緊急事態が...
なんと、ご依頼者の元に届き、最初のテストで
テグザーを読ませたら勝手に早送りされ、停止ボタンでも止まらず
イジェクトで取り出して、それ以降、何も読まない...
と言う事態になりました(+_+) うーん、テグザー!鬼門です!
そもそもX1のテグザーなんですが、テープ版は正常のX1だと
一度、短いロードがあり、その後自動で巻き戻し
自動で停止後、自動で短い早送り、自動で停止後、ロード再開
と、言う変則な動きをするんです。
あああ、あの後遺症...
巻き戻しをした直後は早送りに切り替わらない
が、裏目に出ましたね... 他のゲームでは大丈夫でも
テグザーではロードの動きが変則なので対応出来てませんね...
その後、こちらで読めていたテープも読めないとの報告もあり
再入院をお願い致しました... うーん、申し訳ない...


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巻き戻し、再生はOKです。早送りもOKなんですが
やはり巻き戻し直後だけ早送りが切り替わりづらいです。
ベルトと大プーリーの後遺症ですね...
今回はテグザーの現物もお借りしましたのでテストを行い
ロードはOKでしたが変則な動きに、手動で停止ボタンを押せば
自動でロードが再開されてゲーム起動までされました。
その他のゲームテープではロードOKでした。

今一度、大プーリーと黒ベルトの見直しを行いました。
分かりますかね... こんな感じで道が出来ちゃってるんですよ。
そして柔らかそうに見えますが、これ硬化してて全然取れません...


黒ベルトの大きさを変える為、大プーリーの高さ調整を
ワッシャー2枚にして再度行ったり... ベルトの長さを微妙に変えて
トライアンドエラーで何度も行いました。
これも大プーリーの溶けて硬化した跡のせいですね...
うーん大プーリー自体を交換したい... が、部品が無い...


で、何種もやった結果、やっと巻き戻し直後でも
早送りに切り替わる組み合わせを見つけて、ベルトも外れず
各ボタン操作、再生、巻き戻し、早送り、停止もOK、になりました。
トライアンドエラーで見つけたので時間はかかりました(^^)
そして、また落とされる...
各ゲームの読込もスムーズですし、これで完了かと思ったその時
なんの前触れもなく、急にどのテープも読まなくなりました。
え? ですよ... あれれ、アジマス調整ミスったかな?と
再度、アジマス調整(ヘッド角度調整)を行って設定を最初から行い
程なくして全てのテープも読み、よし!今度こそ!と思うと...
またなんの前触れや予兆も無く、全てのテープが急に読まなくなります。
ロードエラーでは無くて、全く反応無しに急になるんです...
ちょっと考えられないんですけどね...
たった今、同じテープ読んでただろ!って感じです。


一度、アジマスを調整して全てのテープがスムーズに読んでも
何の前触れも無く急に読まなくなり、原因不明でとても不安定なんです。
致し方なく、他の原因を予測しました。
急に、と言う点から、ヘッドからの音声が振動で接触不良になるのかも...
と思い、ケーブル類の根本の部分や、それが集約する基板を点検しました。
すると写真の部分やそれ以外でも数カ所でハンダクラックや
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直接の原因でなくても、ここは直しておきました。
その後もアジマスを調整して、またスムーズに読むようになるんですが
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そんなこんなで丸1日、アジマスやって、ロード、アジマスやって、ロード
良くなったのかと思いきや、結局急に読まなくなる現象が起こり改善しません。
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うーん、これは...
急に読まなくなるので、ヘッドのアジマス角度かと思って
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やっぱり、例の大プーリーと黒ベルトなのか?
ロード(読込)に関係無いと思って
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あまり繋がり無さそうなんで急に読まない現象が起こってからは
ここは見直して無かったんですが、あえて再々度の見直しを行いました。
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またのトライアンドエラーで、その調整をしてなくても
ベルト外れない、早送り切り替わる、ボタン操作でもOK
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その後、アジマス調整をして
数種類の各テープがスムースに読むのを確認し
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おい!これは!
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今までの急に読まなくなる現象は全く起こらなくなりました。
それまでは3、4種のロードくらいしか保たなかったですからね...


やっとカバー付けての作動確認をしてもOKと判断して
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そして、ラスボス...
鬼門のテグザーもロードOKです。
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X1Cの修理、これにて完了です!
結局、大プーリーがポイントでしたね...
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Entry 2022.02.20|Category レトロ:ゲームやりたい!|Comments (11)|Trackbacks (0)